10月21日に津球場で行われた菰野(三重1位)−中京大中京(愛知2位)の観戦記です。
プロ注と言われる菰野の岡林投手がどんなピッチングを見せるかに注目して観戦しました。

菰野
000021000|3 H10 E4
000300001|4 H11 E2
中京大中京

菰野
岡林−後藤
中京大中京
板倉、高橋−関岡

投手成績
菰野
岡林(1) 8回2/3 169球 被安打11 四球6 三振6 失点4
中京大中京
板倉(1) 5回2/3 104球 被安打8 四死球3 三振5 失点3
高橋(10) 3回1/3 40球 被安打2 四球0 三振3 失点0

岡林投手は右のオーバーハンド。大きなフォームから勢いのある球を投げます。176cmとそんなに上背があるタイプではないです。MAX149kmを記録。個人的には名城大下級生時の栗林投手に似ているな、と感じました。球数が増えたこともありますが、中盤以降球威が落ちた印象。それでも140km前後は投げていましたが。
板倉投手は左のサイドハンド。まっすぐはまぁまぁ。相手が右でも左でも外への球が中心で、もう少し狙ってインコースを投げられるようになると、幅が広がると思う。
高橋投手は右のスリークォーター。MAX144kmを記録。1年生ですので今後が楽しみ。現状は上体の力で投げているように見えるので、疲労がたまってきたり、長いイニングは厳しいかも。

菰野
8山本 9池端 6川上 1岡林 5大石 2後藤 3喜多 4島田 7安藤
中京大中京
8西村(9)→9 7伊賀 6今泉 9尾崎(19)→8古瀧 3印出→1高橋(10) 5中山(4) 1板倉→3→R白井 2関岡 4川合(5)

(試合経過)
序盤はお互いにチャンスを活かせない展開。お互いに満塁のチャンスをつぶすなど、3回までにお互いに残塁が6とじりじりした展開。
4回裏、無死1、2塁からバッテリーエラーに送球エラーが重なりランナー生還。無死3塁から9番川合がタイムリー。2死2、3塁から4番尾崎がライトフェンス直撃のタイムリー2ベース。中京大中京が3点先制。3−0
5回表、2死1、2塁から5番大石が2点タイムリー3ベース。3−2
6回表、1死満塁から2番池端が犠牲フライ。ここでピッチャー交替、高橋。尚も2死1,3塁でしたが、三振に斬って同点で高橋が食いとめます。3−3
9回表、先頭の池端が2ベースを放ち、送って1死3塁のチャンスでしたが、4番岡林のピッチャーゴロと5番大石の三振で斬って、高橋がピンチを脱します。
9回裏、2死から7番板倉が2ベースを放ち、2死2塁から8番関岡がタイムリーでサヨナラ。中京大中京が勝ちました。
菰野は4番に入った岡林投手が大ブレーキ。第1打席、第2打席と、自分がボールと見送った球をストライクと取られてリズムを崩した感じでした。どちらもチャンスでしたし。5回表の凡退は5番の大石選手が救いましたが、9回表はなんとかしてほしかった。ただ、結局5回で100球を超える中、最後まで投げたように他に頼れる投手がいなかった模様。全部投げて、4番も打つ。さすがに負担が大きすぎた気がしますね。

試合としては9回表もそうですが、6回表に犠牲フライで追いついて、尚も2死1,3塁で中京大中京がピッチャーを1年生の高橋投手に交替。ここで、3番川上選手が3球三振に斬って取られたこと。ここも大きかった。

そういう意味では中京大中京は高橋投手の好リリーフがポイントでした。MAX144kmで140km前半のまっすぐを中心に球威で押すピッチング。板倉投手が120km中盤の左サイドハンドですので、ちょうどいい緩急差になるんですよね。このリレーは強力な武器になります。

中京大中京は序盤は岡林投手の荒れ球の速球に苦しみましたが、それでも簡単に空振りをしないで、ファールで粘る打撃が出来ていました。それが岡林投手の球数加算につながりましたし。

采配では、投手交代の際、板倉投手をファーストに入れて残し、5番にピッチャーの高橋投手を入れたのは、正直どうかと思いました。案の定6回裏はチャンス(2死1,2塁)で回ってきて打てなかったですし、あまり打撃が得意ではない感じのする打撃だったので。ただ、板倉選手は岡林投手と中学で同じシニアだったということで、打つ方でも気持ちが出ていたし、ヒットも打っていたのでそこに賭けたのかな?と。
それが9回裏、2死からセカンド横へのゴロで抜けそうなヒットになり、これをセカンドが横っ跳びしてボールに触って打球が弱まる中2塁を陥れて2ベースにし、サヨナラを呼ぶチャンスにつながった。高橋監督の采配が当たった形になりました。ここで代走を出して勝負をかけた点も良かったですし、この日は高橋監督がズバズバでしたね。

8回裏、2死2塁から4番尾崎選手がキャッチャーフライが最初ファールっぽかったので、走らずに結局フェアに落ちるも1塁アウトになる怠慢走塁。この時2塁ランナーも走ってなかったので、こういう際どいあたりは常に走るということは忘れずにやってほしいですね。

中京大中京は次は津田学園と。前投手も同じ右の本格派ですが、球質が違いますので、前投手をいかに捉えられるかがカギになりそうです。