10月14日にパロマ瑞穂球場で行われた中京大−名城大の2回戦の観戦記です。
名城大先勝で迎えた2回戦。名城大が勝てば優勝となる大一番となりました。

中京大
100000000|1 H4 E1
02000100X|3 H5 E0
名城大

中京大
初祖、伊藤、真田−池田
名城大
池戸、宮津、栗林−市川

投手成績
中京大
初祖 5回2/3 76球 被安打4 四球3 三振2 失点3
伊藤 1/3 5球 被安打0 四球0 三振0 失点0
真田 2回 44球 被安打1 四球3 三振1 失点0
名城大
池戸 4回 69球 被安打2 四球4 三振3 失点1
宮津 3回0/3 46球 被安打1 四球2 三振3 失点0
栗林 2回 30球 被安打1 四球0 三振2 失点0 

初祖投手は今季は2戦目の先発を任されました。この日もボールそのものは走っていたし、調子は良かったと思います。不運な形での失点で逆転されたし、結果とすれば、3点目が痛かったんですよね。先頭四球がきっかけですので、この経験を活かしてほしいですね。
池戸投手は立ち上がりの失点後の尚ものピンチをしのいだのが大きかった。そこからの落ち着いたピッチングは見事でした。前日勝っていたことで、過度なプレッシャーはかからなかったとはいえ、大一番で1年生でこれだけのピッチング。勝利の立役者の1人でした。
それ以上に見事だった宮津投手。栗林投手の負担を減らすために、前日の先発、この日のリリーフを託されましたが、見事な仕事ぶりでした。この秋は球威が戻ったことがなにより大きい。連盟王座戦でもカギを握る投手だと思います。この状態を維持してほしいですね。
栗林投手は、この秋初めて見ました。圧倒する、というよりは上手さが目立つ感じでした。それでもランナーを背負っても安心感があるのは彼ならでは。プロに行ってほしいなぁ。

中京大
6和田 9河田 8西村 3松井 2池田 4村田 7大澤 5足立 1初祖
名城大
4光部 8大石 6堀井 3大川 7加納 5水谷 2市川 9舟橋 1池戸

(試合経過)
1回表、1死2、3塁から4番松井の犠牲フライ。中京大が先制。尚も2死満塁でしたが、ここはライト舟橋の好プレーもあってしのぎます。
2回裏、1死1、3塁から7番市川のショートゴロで2塁へ悪送球。同点。2死1、2塁から9番池戸が1塁ベースに当たるラッキーなタイムリーで逆転。2−1
6回裏、2死3塁から6番水谷がタイムリー。2死1、2塁でピッチャー交替、伊藤。3−1
8回表、無死1塁でピッチャー交替、栗林。
名城大が勝ち、優勝を決めました。

試合のポイントとしてはまず初回。中京大が先制して、尚も2死3塁から連続四球で満塁になったところ。
ここを池戸投手が落ち着いて投球出来たことが大きかったですね。そのまま崩れれば、中京大が一方的にこの試合を制したと思いますし。1点で抑えたことで中京大にプレッシャーを与えることに成功。

2回裏は1死1,3塁から少し弱めのショートゴロ。ゲッツーなら0ということで、和田選手が少し無理な体制で投げたんですよね。それが逸れた。1点はいいよ、であればアウトを確実に取れたんでしょうけど、負けられない試合でそういう判断は難しいですよね。
池戸投手のタイムリーは完全に運。何でもない1塁ゴロと思ったらベースに当たって1塁手を超えていくという。でも、そこまでの流れが産んだ打球でしたし、これが野球の流れの怖さですね。

4回表には3塁線のサードゴロで、球審(ファール)と3塁審判(フェア)の判定が分かれるプレー。優先は塁審でしたので、結果サードゴロだったのですが、球審が大きくファールのジェスチャーをしてしまったので、ランナーの足が止まったこともあって抗議。もちろん覆らないのですが、中京大はこの試合、運が無いな、と感じるプレーでした。

和田選手の素晴らしいプレーが4回裏に飛び出し、名城大が5回からピッチャーを替えたので、試合が動くかな、と思いましたが、結局名城大に追加点が入って、大きく試合は名城大優位に。

もちろん結果論ですが、栗林というジョーカーを元に、投手起用を組み立てた名城大と、リーグ戦どおりの戦い方で臨んだ中京大。こういう一発勝負の状況では、いかにジョーカーを活かすかが大事、ということだな、と感じる試合でした。
中京大は継投、ローテーションと投手を活かす戦いをしています。もちろん良いことなのですが、絶対的エースは出来ないという側面もあります。それがこの大一番に出たかな、と。でも、絶対的に今の戦い方は、投手生命にはいいと思いますので、来年以降も貫いてほしいですね。それで圧倒できる投手も育ってきてると思いますし。

名城大は何と言っても宮津投手のピッチングが大きかった。この試合、万が一(3戦目)のことを考えれば、出来る限り栗林投手のイニング数は少なくしておきたい。そういう意味で7回まで池戸投手、宮津投手で抑えたのが勝因ですよね。1戦目も先発で流れを作った宮津投手がこの2戦のMVPです。
3連盟王座戦も2日間の短期決戦。この経験を活かして、神宮切符を奪ってほしいですね。柔軟な起用に期待したいです。