5月21日に春日井球場で行われた中京大−名城大の3回戦の観戦記です。1回戦が引き分け、2回戦が名城大が勝ったために、この試合に勝った方が優勝という文字通りの大一番。
中京大は2年生左腕の山本投手、名城大は中1日の栗林投手が先発。この投球に注目して観戦しました。

中京大
000003001|4 H11 E2
000010000|1 H3 E0
名城大

中京大
山本、真田−池田
名城大
栗林、岩崎−市川

投手成績
中京大
山本 6回 86球 被安打2 四球3 三振6 失点1
真田 3回 41球 被安打1 四球0 三振3 失点0
名城大
栗林 8回 121球 被安打9 四死球3 三振4 失点3
岩崎 1回 25球 被安打2 四球0 三振0 失点1

山本投手は左のオーバーハンド。東郷出身の2年生。高校で見て以来。まっすぐがなかなか速く140km近く出ていました。スライダーも切れていて素晴らしい投球を披露。
真田投手も気合の入ったピッチングでボールに力がありました。
栗林投手は中1日ということもあり、抜く場面と力を入れる場面を作って抑えていきました。ただ、毎回ランナーを背負う投球でしたので、徐々にすり減っていった印象。それでも意地は見せていました。

中京大
8西村 9河田 6和田 3松井 2池田 5村田 7鈴木 D橋爪 4井戸田 P山本
名城大
4光部 9小川 6堀井 2市川 3加納 8工藤 5吉村 D奥原 7大石 P栗林

(試合経過)
4回裏、ここまでパーフェクトピッチングだった山本が先頭の光部に四球を出すと、エラーも絡んで1死1,3塁。4番市川を迎えますが三振に斬って、5番加納を四球のあと、6番工藤を三振。見事なピッチングでピンチを脱します。
5回裏、2死1、2塁から2番小川貴のボテボテの2ゴロ安が悪送球となりランナー生還。名城大が先制。
6回表、4番松井5番池田の連打で無死1,2塁。バント失敗、死球で1死満塁となり8番橋詰は内野フライ。2死満塁から代打野崎の走者一掃の3点タイムリー2ベース。中京大が逆転。3−1
9回表、1死1塁から2番河田がタイムリー3ベース。4−1
中京大が勝って2季連続39回目の優勝を決めました。
序盤から中京大は毎回ランナー。4回までに先頭を3回出して攻めるも、栗林投手がここぞで三振を取って踏ん張る。
一方名城大は山本投手の前に3回までパーフェクトに封じられる。ただ、展開的にこういう場合は意外と抑えられている方が先に点を取る場面が多いよな、と思っていたら、4回に名城大がチャンス。
先頭が四球の後、犠打、エラーでノーヒットで1死1,3塁となり、4番市川選手でしたが、ここは山本投手が踏ん張って先制を許さず。緊張感のある試合が続きます。

5回裏の名城大の先制は1死から奥原選手の初ヒットで出たランナーを2死にしてでも送って先制を狙う。敬遠のあと、2番小川選手のボテボテの2ゴロを間に合わない1塁へ投げてそれがエラーに。(記録はヒットとエラー)ミスが点になる嫌な形で中京大は先制されます。

その直後、先頭の4番松井選手がヒット。当たっている5番の池田選手にどうさせるかな、と見ていたら打たせて連続ヒットに。こういうところは采配がいいな、と感じます。ただ、バント失敗の後、死球で1死満塁となったところで内野フライ。ここで点が入らないと中京大も嫌だな、と思った場面で代打に4年生の野崎選手を起用して、カウント1−1からスライダーを一閃。走者一掃となりました。
たしかに甘い球でしたが、この場面で打った野崎選手がすごかったと思います。試合を分けた1打。ここで点が取れなかったら・・・。名城が勝っていた気がします。4年生の頑張りってのがやっぱり大きいですよね。
最後に締めたのも4年生の真田投手。監督の采配の妙も感じました。

もうひとつ、オッと思ったのが逆転した直後の6回裏に山本投手をマウンドに上げたこと。前の回に点を取られていたし、逆転した展開もあっててっきりピッチャーを替えてくると思っていたので、意外でした。と同時に山本投手を信頼して期待しているんだなぁと思いました。そしてそれに応えた山本投手。この経験はこれからに活きてきます。来年以降に大きな投手になっていそうです。

中京大はとにかく投手力が全国でも高い位置にあります。河田選手ら好調な選手もいます。全国レベルの投手だとそうは打てないかも知れませんが、こういう苦しい戦いを制した経験を活かして、まずは初戦突破、そして全国制覇を目指して頑張ってきてほしいです。

名城大はこの試合については完敗でした。それでも栗林投手で勝負する形まで持ちこみましたし、やれることはやったリーグ戦だったと思います。
栗林投手はとにかくお疲れさまでした。秋にもう一回チャンスがあるので、圧倒する投球を見せて、ドラフト上位の切符を掴んでほしいです。

チームとしては栗林投手の次、が最後まで課題でした。ただ、そんな中でも岩崎投手、二宮投手、村瀬投手ら芽は出てきたと思います。
打線でも助けて、秋にもう一度全国を目指してほしいですね。