6月5日に瑞穂球場で行われた1部2部入替戦の3回戦、愛産大−東学大の観戦記です。
1勝1敗で3回戦にもつれた入替戦。1回戦と同じ先発で始まりましたが、死闘となりました。

愛産大
0310021100|8 H16 E1
0003300201|9 H14 E1
東学大
(延長10回サヨナラ)

愛産大
今村、宮里、平佐、廣田−徳原
東学大
木下、古田、今野、木原−村上

投手成績
愛産大
今村 4回1/3 70球 被安打7 死球1 三振2 失点6
宮里 1回1/3 27球 被安打2 四球0 三振0 失点0
平佐 1回1/3 19球 被安打1 四球0 三振0 失点1
廣田 2回1/3 37球 被安打4 四球1 三振2 失点2
東学大
木下 2回2/3 59球 被安打7 四球2 三振4 失点4
古田 3回2/3 66球 被安打3 四球2 三振2 失点3
今野 1/3 3球 被安打1 四球0 三振0 失点0
木原 3回1/3 53球 被安打5 四球1 三振3 失点1

今村投手は調子自体は良かったと思います。ただ2周り目に入って、4番古川に仕留められてから、球に捉えられた。5回は打球を受けた影響もあったかも。
木下投手は初回から苦しいピッチング。早いカウントからどんどん振る愛産大につかまりました。
古田投手は左のオーバーハンド。2年生で163cmと小柄なサウスポー。かなり上から投げるフォームで、まっすぐはまぁまぁ速い。好投手でした。
今野投手は右のオーバーハンド。腕の振りが柔らかいタイプ。
木原投手は連投で疲れはあったと思いますが、気迫のこもったピッチング。9回の黒野選手のスライダーは素晴らしかった。1年生。

スタメン
愛産大
8荒木 7今泉 9黒野 3濱元 5高木 D森野 2徳原 6近藤 4西井
東学大
4松田 7小坂 8小林 D古川 3中野 2村上 5三村 9中村 6加藤

(試合経過)
2回表、1死1、3塁から9番西井がタイムリー。更に1死満塁から2番今泉が2点タイムリー。愛産大が3点先制。
3回表、2死2塁から8番近藤がタイムリー。ここでピッチャー交替、古田。4−0
4回裏、1死2塁から4番古川がレフトへ2ランホームラン。更に1死1、2塁からショートゴロで2塁からの転送が悪送球。タイムリーエラーとなる。4−3
5回裏、1死1、2塁から3番小林が2点タイムリー3ベースで逆転。ここでピッチャー交替、宮里。1死3塁から4番古川が犠牲フライ。6−4
6回表、2死1塁から3番黒野がセンターバックスクリーンに運ぶ同点2ランホームラン。6−6
6回裏、2死2塁でピッチャー交替、平佐。
7回表、1死1、2塁でピッチャー交替、今野。8番近藤がタイムリー。愛産大が再逆転。2死2、3塁でピッチャー交替、木原。7−6
8回表、2死1塁から5番高木のタイムリー2ベース。8−6
8回裏、無死1塁でピッチャー交替、廣田。1死2塁から代打小笠原がレフトポール際に同点2ラン。8−8
10回裏、1死2塁から7番途中出場の小栗がライトへヒット。黒野の懸命のバックホームも間一髪セーフでサヨナラ。東学大が一部昇格。
正直3回が終わった時点では一方的な愛産大の試合になるかと思っていました。それを一変させたのが4番古川選手の一振り。ホームランって大きいな、と思うと同時に、ここまで試合の流れを変えるんだ、と改めて発見させてもらいました。

そして5回には今村投手を捉え逆転。その流れを持ってきたのが東学大2番手の古田投手。こちらも小柄ですが、いいサウスポーで、まっすぐで押せるピッチャー。2年生ですし、秋も楽しみ。

このまま東学大かな、と思い始めた6回2死1塁から黒野選手がセンターバックスクリーンへ運ぶ特大の2ラン。同点に追いつく、という効果ももちろんですが、その大きな当たりもあって、鳥肌が立ちました。それぐらい圧巻のホームラン。
7回に愛産大が逆転し、8回に突き放した。2点リードとなって、大きく愛産大に流れが、と思うところですが、まだ2回もある、ということで、もうひと波乱あるかな、とは正直思いました。ただ、代打小笠原選手の同点2ランは・・・。これまた鳥肌が立つホームラン。風にも乗ったし、会心の当たり、ではない感じだったところがまた・・・。野球の神様が楽しませてくれる試合だったように思います。
9回表は2人ランナーが出れば、ここまで3安打の黒野選手に回る、と思っていたら、まさに2死1,3塁となって回り、これは愛産大か、と思ったところで、木原投手が緩い変化球で2球で追込み、最後は外にスライダー。見事な球で空振り三振に。ここで東学大に一気に傾いた気がしました。ただ、それでも9回はゲッツーで愛産大が凌ぎ、そして10回にサヨナラ。

東学大は5番の中野選手が5打数5安打。10回も中野選手からでヒットを放ちチャンスメイク。素晴らしかった。

愛産大の黒野選手はホームランも素晴らしかったですけど、強肩であわやというシーンを2度作り、身体能力の高さを見せてくれました。2部に行くことになりますが、その打棒でまた1部に引っ張り上げる活躍を見せてほしいですね。

とにかく間違いなく今年のこれまでの観戦ベストバウト。入替戦の3戦目という生きるか死ぬかというシチュエーションに、お互いの選手の意地と意地のぶつかり合い、そして打つべき人が打ち、ポイントでそういう打者に回る展開。これだけの試合というのはなかなか見れるものではないです。
この日は無理して見に行きましたが、見に行って大正解でした。両軍の選手に感謝ですね。