10月31日に岡崎球場で行われた第1試合、大垣日大−岐阜中京の観戦記です。
岐阜県勢同士の選抜切符をかけたガチンコ対決。予想通りの好勝負になりました。

大垣日大
010000020|3 H6 E0
010000010|2 H7 E1
中京

大垣日大
葛西−時本
中京
加藤智−広瀬

投手成績
大垣日大
葛西(1)9回 143球 被安打7 四球3 三振9 失点2
中京
加藤智(1)9回 113球 被安打6 四死球8 三振3 失点3

葛西君は初戦の常葉橘戦であわやパーフェクトのすばらしい投球。この日もきわどいコースに丁寧に投げ、見事な投球。MAXは131k。ランナーを出しても落ち着いた投球が光りました。
加藤君も静岡商戦に続いての登板。連投だった静岡商戦よりも、ボールにキレがあり、スライダーの曲がりが遅く、良かったと思います。MAXは135k。

(試合経過)
1回表、先頭の小尾が四球を選び、盗塁を決め無死2塁の形を作りますが、後続がランナーを進められず無得点。
2回表、1死2塁から8番小島がライトへタイムリー。大垣日大が先制。しかし、続く9番葛西のバントをゲッツーに仕留め流れを止めます。
2回裏、2死から6番岩佐が3ベース。続く7番都築がピッチャー横を鋭く抜くタイムリー。すかさず同点。尚も8番近藤もヒットで続きましたが、9番加藤智が倒れ逆転ならず。
大垣日大は4回、5回と。中京も5回にチャンスを作りますが、お互いエースが踏ん張って無得点。
6回表、1死2塁で6番高田の2球目にランナーがスタート。バッターが打ってセンター前に落ちるヒットになるも、ランナーが打球を見極めてしまい、ホームに帰れず。ここはダイレクトに取られていたら戻れないので、一か八かホームへ行かなきゃいけない場面。1死1,3塁から、セーフティスクイズを仕掛けるもピッチャー前に転がりホーム憤死。大垣日大が勝ち越しのチャンスを逸します。
中京は6回、7回にもスコアリングポジションにランナーを置くも無得点。
8回表、1死2塁から6球目に安藤が3盗を決め、すかさず次の球でスクイズを成功。勝ち越し。さらに7番森田が左中間を深々と破る。躊躇なく3塁を蹴りホームへ。中継も少し戸惑いランニングホームラン。3−1と大きな2点リードを奪います。
8回裏、先頭の3番吉田がセンター右へのヒット。好走塁で2塁打にします。4番広瀬は大きなレフトフライ。熱田ならホームランの当たりでした。タッチアップで3塁に進み、5番安江のショートゴロの間に1点。3−2
9回表、加藤智が2死からピンチを招きますが踏ん張り、攻撃に望みを託しますが、1死から四球のランナーを出すも後続が倒れ、大垣日大が逃げ切り。ほぼ甲子園の切符を手に入れました。

お互いの意地とプライド、甲子園に行くんだという気持ちの入った、すばらしい試合でした。
記録だけみると、中京の加藤君が8四死球。これで自滅したように感じますが、実際はとにかく大垣日大がボール球を振らずに、じっくり見極める。好球必打を徹底するという結果が出たと思いました。ストライクからボールになるスライダーをなかなか振ってくれないんですよね。こういう姿勢はすばらしい。そして、足攻。8回の3盗からスクイズの鮮やかな流れは、阪口野球の真骨頂でした。加藤君はたしかに若干クイックは遅いですが、牽制は下手じゃないですから、もうお見事という他ないです。そして、ノーエラーのバック。結局東海大会はノーエラーで駆け抜けました。葛西君も心強いと思います。
神宮は人工芝なので勝手は違うと思いますが、ぜひ堅い守備を中心に暴れてきてほしいですね。
キャッチャーの時本君、1年生ながらキャッチングがいいですね。肩もいいですし、今後も注目です。

中京は5回以降、毎回ランナーを出しながら、タイムリーが出ず。攻撃のうまさの差が得点差になった感じです。上位に当たりが出なかった。どうしても個々の能力に頼った攻撃に見えてしまいます。
加藤智君はすばらしいピッチングでした。中京もいいチームですし、高いレベルにあるのは間違いないです。ただ、これで、夏、秋と続けて目前で甲子園に届かず。夏こそ、の気合で厳しい冬を乗り越えてほしいですね。
神宮枠が来たら、ぜひ中京を選んでほしいです。