10月17日に皇子山球場で行われた近畿大会の第1試合、智弁和歌山(和歌山1位)−野洲(滋賀2位)の観戦記です。
サッカーでは有名な野洲高校が、智弁和歌山相手にどういう試合をするかに注目をして観戦しました。

智辯和歌山
0010006|7 H11 E0
0000000|0 H2 E1
野洲

智辯和歌山
吉元−道端
野洲
沢、藤居−上田昭

投手成績
智弁和歌山
吉元(1)7回 89球 被安打2 四死球3 三振6 失点0
野洲
沢(1)6回2/3 98球 被安打10 四球1 三振3 失点7
藤居(15)1/3 8球 被安打1 四球0 三振1 失点0

智弁和歌山のエース吉元君は左のオーバーハンド。まっすぐは130kくらい。ボールが動くタイプで、伸びるまっすぐではない感じです。牽制にはかなりランナーが戸惑っていました。
野洲高校の沢君は右のサイドハンド。割と立った状態で投げるピッチャー。120k前半くらいのスピードだと思いますが、多彩な変化球とまっすぐにもスピード差を付けて翻弄しました。うまいピッチング。
藤居君は右のオーバーハンド。まっすぐはそこそこ速く、カーブとの緩急で打ち取るタイプかな。

(試合経過)
1,2回と3人ずつで打ち取られる智弁和歌山。
一方、2人ずつランナーを出し、初ヒットも出た野洲高校。立ち上がりは、予想と逆の展開になります。
しかし3回表、エラーで出たランナーを2塁に送り2死後、1番城山が外目の真っ直ぐをレフトフェンス直撃のタイムリー3ベース。智辯和歌山が先制。
野洲のエース沢は、スピードはあまりない右のサイドハンドですが、緩急を使って、うまいピッチングで智辯和歌山打線を6回まで1点に抑えています。素晴らしいピッチングです。
智辯和歌山のエース吉元は序盤荒れ気味でしたが、中盤落ち着いてきて、野洲を3回以降、エラーっぽい内野安打1本に抑え込んでいます。
7回表、2死1、3塁から1番城山がうまく押っつけて1、2塁間を破りタイムリー。2番岩佐戸もタイムリーで続き3−0。さらに2死満塁から4番山本定がサードのジャンプがわずかに届かず、グラブを弾いて2点タイムリー。5番道端もタイムリー。ここでピッチャー交代、藤居。6番宮川もタイムリー。この回6点。7−0
そのまま7回コールドで智辯和歌山が勝ちました。

正直、野洲高校のピッチャーがここまで抑えるとは試合が始まってすぐは思いませんでした。ピッチャーは球威じゃない、ということを証明するピッチングでした。ストライクゾーンをうまく使っていたし、智弁がポップフライが多かったのがなにより打ちあぐんだ証拠でした。ただ、やはり打てなかった。3回以降はランナーすらほとんど出せませんでしたし・・・。1回にダブルスチールを仕掛けるなど、なんとか一泡吹かせようという意思は見えたのですがね。でも大健闘でした。

智弁和歌山はコールドしましたが、正直大苦戦。ちょっと振りが大きく、術中にはまった感じはありました。7回も1死2,3塁で内野ゴロホーム憤死。1番城山君のヒットがなければもっと苦戦したと思います。ただ、その城山君はすばらしい。一人で切り開きました。7回の場面は勝負を避けた方が、と思いましたが、仕方ないですね。
守備は安定しているし、エースの吉元君は夏のエースの岡田君ほどは球威は感じないですが、安定して力は発揮できそう。立ち上がりの乱れを少なくしたいですね。