7月25日に小牧球場で行われた5回戦第1試合、至学館−愛知啓成の観戦記です。
地力の高い至学館がどこまで愛知啓成を苦しめるかに注目していましたが、予想以上のクロスゲームとなりました。

至学館
000011100|3 H8 E2
00110030×|5 H8 E1
愛知啓成

至学館
桐林、武田、加藤−志知
愛知啓成
加古、西川、小出、中川−臼田

投手成績
至学館
桐林(10)6回2/3 85球 被安打6 四死球3 三振2 失点5
武田(1)1/3 5球 被安打1 死球1 三振0 失点0
加藤(11) 1回 12球 被安打1 四球0 三振0 失点0
愛知啓成
加古(18)4回 63球 被安打3 死球1 三振2 失点0
西川(19)2/3 14球 被安打1 四球1 三振0 失点1
小出(1)2回1/3 38球 被安打4 四球1 三振3 失点2
中川(17)2回1/3 26球 被安打0 四球0 三振4 失点0

至学館の桐林君は2年生右のサイドハンド。春にも一度豊田西戦で見ています。コントロールが良く、コーナー一杯を使って投げることができます。スライダーが切れるので、右バッターは手こずりますね。
加藤君は右のオーバーハンド。なかなか球威があります。
啓成の加古君は昨年の夏の決勝にも投げたピッチャー。しかしフォームが完全にサイドハンドに変わっていました。球威も落ちてますし、この日は外のコントロールがいま一つでした。
小出君は去年の夏や秋のころよりも球威が戻っていました。スライダーも切れていましたが、ボールがやや高かった。
中川君は左のオーバーハンド。この日はまっすぐが抜群に走っていました。

(試合経過)
2回表、至学館が最初にチャンスを掴みます。先頭の死球の後、犠打。サードのエラーで1死1,3塁とします。しかし代打の林、8番桐林が倒れ先制ならず。
3回裏、1死から加古がヒットで出塁。犠打で送って2死2塁から2番松山がセンターオーバータイムリー2ベース。なおも四球で2死1,2塁でしたが、4番増川はライトファールフライに倒れ1点どまり。
4回裏、1死1、3塁から8番阿部の初球後キャッチャーからの3塁送球が逸れ3塁ランナーホームイン。2−0
5回表、代打が出た関係でピッチャーを西川にスイッチ。2死2塁から3番有馬がタイムリー。ここで小出登板。ここは三振で斬ります。
6回表、1死1塁から7番林が高めに浮いたスライダーを右中間に運んでタイムリー2ベース。至学館が同点に追いつきます。
7回表、先頭の中島の2ベースとワイルドピッチで無死3塁となり、2番六車がセーフティスクイズを決め至学館が勝ち越し。尚も2死1、2塁で中川に交代。中川がここは抑えてリリーフ成功。
7回裏、2死1、2塁から1塁ゴロエラーで同点。ここでエース武田にスイッチも2死満塁から4番増川が2点タイムリー。逆転。5−3
至学館は8回9回とパーフェクトに抑えられてそのまま、愛知啓成が勝ちました。

この試合も面白い試合でした。
これぞ高校野球、という試合。ミスで勝ち越し、ミスで追いつき、そこまで不振の4番が逆転打を放つ。継投の妙や難しさ。いろいろな要素の詰まった試合でした。

至学館は、とにかく積極的な仕掛けが目立ちました。エンドランを多用し、ダブルスチールを誘ったり、ホームスチールを仕掛けたり。ノックもより実戦に則した動きを入れるなど、いろいろな工夫が随所に見れるチームでした。
4回の得点シーンでの抗議がちょっと長かった。あそこはさらっと流してほしかった気がします。
しかし球威の戻った小出君を捉えたのは見事でした。1塁手のエラーは・・・。ボールを取るより先に気持ちがベースにいってましたね。冷静に、というのは難しいです。

啓成は思った以上の苦戦。相手の先発、桐林君を右バッターがほとんど捉えられず、それが苦戦の原因となりました。特に4番の増川君が全くあわずに3打席凡退。7回は相手ピッチャーが変わってくれてホッとした部分もあったでしょうね。それでも打ったのは見事でした。
小出君が球威が戻っていたのは収穫。ただ、この日はボールが高くそこを打たれました。うまく修正してほしいですが・・・。
最後に投げた中川君がパーフェクトリリーフ。2年生ですし、秋からも楽しみです。
もう少し、1点をうまくとる野球を見せてほしかった。この苦しい試合の経験を次に活かしたいですね。